浮遊代理店

'02/03/15 少しまとめてみました 

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 「えっ、このクラゲ本物じゃないんですか?」と、京都の ボイスギャラリー内に設置された「くねりBAR」で、アーティスト奥田エイメイ氏に一声かけたのが、この浮遊プロジェクトのはじまりだった。

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 転々と「借家生活」をしながら、「可変」とか「移動」をテーマに建築に取り組む僕と、「浮遊」をテーマに作品づくりをする奥田氏は、すぐに共鳴し、その後、学生下宿を改造した「再見くねりBAR」、そして「浮遊代理店くねりBAR」と、2年間の間に慌ただしく引越、増殖を繰り返していくことになる。


京都芸大近くに3日間限定でオープンした幻のバー

 今回の「浮遊代理店」が入る古い建物は、駅近くとはいえ、メイン通りから一筋引っ込んだ、人通りの少ない商店街にあった。しかし結果的には、「へ〜、こんなところに…」という場所だったので、わざわざ足を伸ばして集まってくる人は、移動力の旺盛な、かなり面白い人達だった。このことは、店の運営にもボランティアで参加してくれる人が多く現れ、次への展開の足がかりとなるものであった。


photo:山田誠良

 「浮遊代理店」を計画するにあたって奥田氏からの要望は、「浮遊」「移動」「癒し」などをキーワードに、クラゲ作品を展示するバースペース、貸しギャラリースペース、イベントスペースなどが必要というものだった。そこで奥田氏が以前取り組んでいた演劇の舞台と観客席のスタイルを空間構成の中心にし、


「階段ギャラリー」

洞くつをイメージさせる「くねりBAR」、企画提案型の可変貸しスペース「ギャラリーすいせい」を、空間の有効利用からも観客席下に配し、全体を次へ移動可能な舞台装置のようなものとした。


「くねりバー」
photo:山田誠良

「ギャラリーすいせい」
photo:山田誠良

 単にクラゲとその水槽を作品として展示、販売するということにとどまらず、それを包む癒し空間全体を、増殖、展開させていきたい、という奥田氏の頭の中には、次なる敷地も、うかんでいるようである。その時がくれば、この舞台装置もまた形を変え、展開していくことになる。


次なる敷地


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