「今度、家を買おうと思うんやけど、建売住宅がええんちゃうかと思って…」という妹からの電話で始まった今回の計画は、ローンなどの購入資金面から、施工する工務店や、仕様などが全て決められた「建築条件付き、自由設計」の土地を、建物とセットで買うというものだった。
いくつか一緒に見て廻った今までにその方法で建てられた家は、自由設計とはいうものの、方角や隣地との関係をおよそ無視し、既製のプランを当てはめ、施主の好みの外観をはりつけた…という感じのものだった。
隣家との関係から開けることの出来ない窓や、こまぎれの個室、不必要に長い廊下、豪華さを演出するメンテナンスフリーの内外装材など、今ある建売住宅から、要素やスペースをどんどんマイナスしていき逆に、各家族に合せた家にするための部分にまわすなどの工夫をすることが本当の意味での「自由設計」のではないか…と思われた。
今回の妹の家の場合だけに限らず、大多数の人が安価に持ち家を購入できる現在のシステムの中には、色々な問題がひそんでいて、工夫や提案の余地はまだまだあるのではないだろうか。